実験:「こだわりを無くした1番シンプルな本革スマホポシェット」を作ってみた

目次

1番シンプルなスマホポシェットの魅力を
もっとわかりやすく伝えたい

これまでたくさんの方にお選びいただいている、
「1番シンプルな本革スマホポシェット」シリーズ


見た目は簡素でも、細部の仕様にこだわって丁寧に仕立ています。

その魅力をわかりやすく伝えるために、
こだわりを無くしたポシェット
を作って比べてみました。

左「こだわりを無くしたスマホポシェット」
右「1番シンプルな本革スマホポシェット」

ぱっと見では違いがわからないかも?
ひとつずつ詳しくみていきます。

サイドのスリット

27bagの本革スマホポシェットの特徴は、なんと言っても本体上部のサイドスリット!

見た目はもちろん、使い勝手の良さに大いに貢献しています。
一般的に口元が窮屈になりがちな外縫いのポシェットでも、スルッと荷物を出し入れ可能です。

左:2枚の革の端が固定されていて窮屈な口元
右:スリット効果で口元が自然に開きます。

※「内縫い」と「外縫い」について

市販のポシェットは「内縫い」で作られているものがほとんどです。

内縫いのポシェットの例。
2枚の革を縫い合わせた後、ひっくり返しています。
ステッチは袋の内側に入るので外からは見えない仕様。

内縫いの場合は、自然と口元が広がるので、スリットがあろうがなかろうが使い勝手にそれほど差はありません。

一方、1番シンプルな本革スマホポシェットは「外縫い」で製作しています。

外縫いのポシェット。
ステッチと革の断面が見えます。

外縫いは口元が閉じ気味になるので、サイズが同じ場合、荷物の収納量は内縫いに劣ります。

しかし、「手縫いステッチ」や「丁寧に整えた革断面(コバ)」など、手作業ならではの贅沢を味わえる仕様なのです。
見た目のキリっとした雰囲気も外縫いの特徴。

二重仕立てのバッグ口

上:切りっぱなしの仕様
下:革を折り返した仕様


「1番シンプルなスマホポシェット」では、口元の革を折り、二重仕立てにしています。
よりきちんと感のある印象かと思いますが、いかがでしょう。
そして実はこれも見た目のメリットだけでなく、
強度が増して型崩れしにくくなる、
という効果もあります。

例えば口元を一重で仕立てたこちら↓のバッグ。
口元が波打っていますよね。

良く言うと「革がなじんできている」悪く言うと「ヨレっとしてきた」

比較的硬さと厚みのある革ですが、使用していくうちに馴染んでしなやかさが出てきます。

一方で、それほど厚みのない革でも2枚貼り合わせるとことでハリ感が出るのです↓

きちんと感を重視して、使い続けてもヨレっとしにくい仕様を選びました。

ショルダー紐

写真左のショルダー紐は、
細長くカットした革紐を1箇所継いだだけ。

一方で1番シンプルなスマホポシェット(写真右)では以下の工程を経て製作しています。

 ①細長くカットした革に接着剤を塗り、芯材を載せる。
 ②縦半分にひたすら二つ折り。
 ③断面をサンドペーパーで磨いた後、
  クリームまたは塗料を塗る(×3回くらい)

単純作業ですが、ショルダー紐は1m以上。
正直、かなり手間のかかる作業です。

もう少し簡略化したい…と思わないわけではないのですが、

切りっぱなしの革紐や市販の丸紐だと、このポシェットの良さが一瞬で消えてしまう気がするのです。

小さな規模で製作しているからこそ、ハンドメイドだからできる仕様を大切にしたいなと考えています。

革質によっては「革裏面のザラザラ」が気になるかもしれません。

コバの仕上げ

コバとは革の切り口断面のこと。
「1番シンプルなスマホポシェット」では、コバを丁寧に整えています。

左:切りっぱなしのコバ 右:整えたコバ

これもハンドメイドならではの贅沢です。

もちろん、ショルダー紐のコバも整えています。
※左が切りっぱなし、右が整えたコバ

最後に

以上、「1番シンプルな本革スマホポシェット」の魅力が伝わればうれしいです

最後に、
仕様の良し悪しは何を求めるかで変わる
ということも書いておきたいなと思います。

どういうことかというと…、
私は「形がシンプルで、見た目がスッキリ、程よくきちんと感のあるポシェット」を目指したからこそ、今回の仕様にたどり着きました。
「ちょと上品な印象のスマホポシェットがほしい!」という方に自信を持っておすすめできます。

でも例えば「ワイルドでラフな雰囲気が好み」なら、全く受けないのです。
きっと、「革はもっと厚め」で、「ショルダー紐は太めの1枚革」で、「コバもラフに仕上げて…」なんて仕様が好まれるのではないのでしょうか。

仕立ては求める雰囲気によって変えるのが当然で、どっちが上でどっちが下という話ではない!と考えています

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