スマホ、お財布、キーケースにハンカチなど。
「最低限必要なアイテムだけ持ってゴー!」
という場面で役立つポシェットができました。
いつものとおり、「かっちりし過ぎず、カジュアル過ぎない、良いバランス」を目指しました。
普段着のお出かけでも、少しきれいめの装いの時でも、気負わずサラリと合わせられるポシェットです。
一番こだわったのは、荷物の取り出しやすさ。
ポシェットの口元を閉じる方法と言えば、ファスナーで開け閉めしたり、フタをつけたりなどが王道かと思いますが…
私はそれがメンドクサイなーと思ってしまう人間です。
※あくまでも作る側視点でなく使う側視点で、です(笑)
だからファスナーもフタも付けず、口元はオープンに。
とはいえ、何かしら口元を留める仕様は必要なので、ベルトを採用しました。
細めのベルトなので、スマートフォンくらいの大きさなら、わざわざベルトを取らなくても出し入れできます。
とにかくスッキリ見せたいので、マチ幅は薄め。
斜め掛けしたときに、変な膨らみがないところが気に入っています。
単体でみたら可愛いバックなのに、斜め掛けしてみるとなぜか違和感があった…
なんて経験がある方にぜひ試してもらいたいです。
こういったバッグは「サコッシュ」と呼ぶのかな?と思いつつ、ドカンと人気が出たアイテム名は何となく使いづらく…ポシェットとしております。
このタイプのポシェットで多いのは、ショルダー紐だけは既製の革紐を使うというパターン。
実は、意外に思われるかもしれませんが、手作業で細く長いパーツを作るのは大変です。
私の体感ですが、一つのポシェットを作るときにショルダー紐製作に充てる時間は、全体作業の1/4~1/3くらい。
「既製品を使えば作業スピードは上がるな…」と知りつつも、それでも同素材の革をつかうことにこだわっているのは、やはり印象が全く変わってしまうから。
異素材同士の組み合わせを楽しむのも面白いのですが、きちんと感を出すためには、素材の統一感は大事だと考えています。
ちなみに、金具を使わずに仕立てているのも同じ理由です。
例えば、ショルダー紐を取り付ける時に、金具を使う方法もあるのですが、今回は不使用。
全体的に統一感が出て、すっきりとした印象に仕上がりました。
口元の留めに使用しているベルトは、デザインのポイントであると同時に機能面でも優秀です。
カジュアルになりすぎないように、革2枚の間に芯材を挟み込んで、しっかりと形を整えています。
だからといってカッチリし過ぎないように、ベルトループをふっくらさせて、少し可愛らしい表情に。
もしマグネットやホックなら、荷物が多くなると閉めることができなくなってしまうのですが、ベルトで留める仕様なら、閉め具合を簡単に調節できるのが気に入っています。
ショルダー紐は好きなように結んで使えます。
おすすめは片方を調節できるように結ぶ方法。
ぐっと短くすると、ワンショルダーバッグの様に使うこともできます。
また、ショルダーひもを取ってポーチとして使うこともできます。
スマートフォン、手帳、ペンケースを入れて会社内を移動する…なんて場面や、スーツケースの中のバッグインバッグとして使っても便利です。
裏地ナシ、ポケットナシというと、なんだか手を抜いているように思われがちなのですが…、
実はメリットも多いのです。
その分だけ総重量は軽くなるし、容量もアップします。
裏地の問題点は、取り付け方次第ではバッグの内部がだぶついてしまうこと。
複雑な構造のバッグでは、裏地を付けないときれいに仕上がらない、という場合もありますが、今回のように小ぶりで単純な構造の場合は、裏地なしの方がスッキリ仕上がります。
結果として荷物を見渡しやすいポシェットになりました。
ポケットについては、以前別記事にて詳しく書いています。
素材はこちら↓のスマホポシェットと同じイタリアンレザーを使用しています。
革の経年変化を楽しみながら、気軽なお出かけのお供として活躍してほしいポシェットです。
2022年12月製作