持ち手にこだわるミニトート

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今回のテーマは普段使い

日常生活の中で活用できる鞄をつくろうと思いました。

それなりにきちんと感がありつつも「過度なよそ行き感」がなく、ちょっとそこまでの外出にも気軽に使える鞄。
100%高級仕立ての鞄は、持っているだけで気持ちがシャキッとするのですが、背筋を伸ばしてばかりでは疲れることも。
仕立ての良さは必須ですが、頑張りすぎない鞄をつくることにしました。

日常使いの鞄で重要なのは使いやすさ。
荷物の出し入れがしやすくて、中身がしっかり見える鞄。
やっぱりトートバッグだなという結論になりました。

使用した革

革は植物タンニン鞣しの革。
使うほどに艶がでる、経年変化が見られる革です。
経年変化については、「革の醍醐味」「革を育てる楽しみ」などのキャッチフレーズで、「経年変化=良いこと」と刷り込まれているような気がします。

でも、経年変化を楽しめるかどうかは人によっても場合によっても違うのでは?と考えています。

というのも、私自身苦い思い出があるからです。
私が初めて1枚丸ごと購入した革は、綺麗な黄色のタンニン鞣しイタリアンレザーでした。

しかし、その革で作ったリュックは今ではどちらかと言うと茶色です。まあ気に入って使っていますけどね。
新品当時の鮮やかな黄色を思い出して懐かしく思うこともあるのです。
発色を長くキープしたいのなら、タンニン鞣しの革を使うべきではないなと学んだ出来事でした。

話がそれましたが、今回は「経年変化を楽しむ鞄をつくる」という目的があるのでタンニン鞣しを使います。
選んだ色は3種類
・ジャージー牛の色にそっくりな薄オレンジ
・灰色と言われれば灰色、茶色と言われれば茶色に見える色
・赤味のあるこげ茶色
形がシンプルなトートバッグなので、ちょっとだけ表情のある革を選びました。

デザイン

見た目はふんわりでもしっかり自立

鞄本体部分は内縫いで仕立てています。
内縫いの鞄は、縫い合わせた後にひっくり返しすので、外からはステッチが見えません。
内縫いの特徴はふっくら感。
この優しい雰囲気を活かしたかったので、鞄の開口部も革の断面を見せないで折り返すことにしました。
折り返し方も、きっちりではなくふんわりと。

見た目はふんわりですが、鞄を自立させるために芯材を使用して形を作っています。
新品なら芯材なしでも自立しますが、使い込んでいくうちに革の繊維がほぐれて「くたっ」となってしまうので。
もちろん、ふにゃっとしたバッグも可愛くて好きです。
でも、「形がしっかりした鞄の使いやすさ」が捨てられず、そういえばいつも形がしっかりした鞄を作っています。

持ち手の作りにこだわる

本体部分はぱっと見どこにでもあるトートバッグですが、持ち手は手間暇かけて作っています。
手縫いステッチと磨きのコバを綺麗に仕上げるのはもちろん、カタチそのものが美しく見えるように試行錯誤しました。 

とはいっても、奇抜さや目新しさは全くないです(笑)
でも、この持ち手があるからこそ、普通のトートバッグが、ちょっと品よく仕上がるのだと確信しています。

持ち手は鞄の良し悪しがよくわかるパーツなので、手を抜くことができません。
技術が追い付いつかずもどかしくても、今できることはしっかりしたいと考えています。

持ち手を本体に直接つけるタイプと、金具を介してつけるタイプの二通りつくりました。
金具を使うと持ち手を下げることができるので便利です。

また、持ち手取り付け箇所は、力がかかるので壊れやすいですが、金具使うと力が逃げるので傷みにくいというメリットもあります。
でも、歳を重ねるごとにシンプル志向になってきた私は、金具なしタイプがお気に入りです。
もう少し大き目サイズのバッグだと強度が気になりますが、ミニトートだったらすっきり感を優先させてもいいなと思って作りました。

留め具の仕様

口元の留めは、ベルト留めとマグネットの二通り。

ベルトは2枚仕立てでしっかり目に作っています。
ベルトを差し込むループは、ぷっくり可愛い雰囲気に仕上げました。
ベルトがあることで中身がほどよく隠れるので安心ですね。

でも使い勝手だけを考えたら、マグネット留めに軍配が上がりそうです。

シンプル過ぎるかな?と思うときはスカーフで飾ってあげるとなかなか華やかな感じです。

ファーを付けるとまた違った雰囲気に。いくつになっても可愛いものは可愛いいんです。

2020年10月製作

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