赤いブリーフケース

タンニン鞣しのイタリアンレザーを使ったブリーフケース。
鞄教室時代の課題で作ったブリーフケースを人に譲ってしまったのですが、勉強用として手元にひとつ置いておきたいと思い製作しました。

使用する予定はないので、どうせなら派手なものを作ろうと選んだのは赤い革。
とは言っても主張しすぎない控えめな赤です。
この革は牛の肩の部分を鞣したもので、皮膚のシワに由来する「トラ」とよばれる縞模様がしっかり入っています。時として嫌われがちなトラ模様ですが、鞄に仕立てると表情に奥行きが生まれ、よい雰囲気に仕上がるのです。

ステッチはオレンジ色の糸を選んでいます。
赤でいいんじゃ?と思うところですが、ステッチにオレンジが入ることで、赤い革の色が朱色っぽく見えるのが気に入っています。
今回はより明るい軽やかな鞄を目指すことに決めて、赤ではなくオレンジを採用しました。
色使いが派手だと安っぽくなりがちですが、今回は品良くまとまったと思います。

この鞄はシンプルな構造ですが、持ち手、マチやかぶせ(蓋)のくせづけ、コバの処理など、鞄づくりで重要な工程がたくさん詰め込まれています。
その時々の自分の技術を確認するために、使う機会はなくても定期的に作っていきたい鞄です。

2020年2月作製

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